連載「僕の知事選、奮闘記」 〜敗軍の将、兵を語る〜

連載No26 プロ野球再編問題から大学に 2013/0824

 「Jリーグのマネジメント」(東洋経済新報社)を上梓した直後に、「プロ野球再編問題」が起きた。近鉄バッファローズの経営破綻をきっかけに、オーナー会議で「1リーグ制への移行」が検討され、それに対して選手会が反対を表明し、それを受けてライブドアーの堀江氏がバファローズを買収し、新球団を立ち上げると表明。さらにこれに対抗して楽天の三木谷氏が、球団買収の対抗馬として名乗り出た。結果はご存知の通り、オーナー側の「1リーグ制への移行」が白紙化され、ホリエモンは負けて、仙台に「東北楽天イーグルス」という新球団が誕生した。(しかし、今年のマー君は強いね。)

 この一連の騒動のおり、「プロ野球球団の経営」が問題になって、「スポーツ・マネジメント」が注目されるようになった。そして、あの「朝まで生テレビ」までもが「プロ野球再編問題」を取り上げて、話題になった。実はこの時、番組史上2位の高視聴率を上げ、国民の関心の高さが改めて確認され、TV朝日はすぐに「朝ナマ」で「プロ野球問題」の第二弾実施した。「Jリーグのマネジメント」を上梓した直後で、「経営指向のJリーグ」と「プロ野球」との対比という観点で、2度とも私に声がかかり、出演した。

 最初の回では画面の向かって右側の列の奥(司会の田原さんに近いところ)に二宮清純氏、ホリエモン、そして私以下4名(だったかな)が座り、向かいには三宅さん(既に故人)、東尾さん、以下5名が陣取って論じた。冒頭で、三宅さんがいつもの調子で、「堀江さんねえ、こういう場所にそもそもTシャツで現れるのは失礼じゃないか!」と一喝。ホリエモンも負けていない。「そういう外身だけで人を判断するのは良くない。そう言う古い体質があるから経営破綻するんだ」と応戦。そこで、私は「堀江さん、貴方の言い分に一部の真理はある。しかし、あなたがこれから向かおうというスポーツという社会には“ドレスコード”というものがある。サッカーのユニフォームで野球はできる。ラグビーのユニフォームでサッカーはできる。しかし、やらない。それぞれの競技にはプレーする上でのドレスコードが決まっているからね。ここを理解しないでスポーツ・ビジネスに入ろうというのはムリがある」と嗜めた。無論、ホリエモンに返す言葉はない。司会の田原さんが、「では、本題に入りましょう」で救った。(スポーツビジネスに疎い田原さんは、その後、議論が詰まると「広瀬さんは、どう思うの?」と私に振るようになった。2回目の番組も「困った時の広瀬頼み」は続いた。いかに田原総一郎だとて、スポーツマネジメントについてはシロートだから仕方がない。喜んでその役割を演じた。)

 2回目の収録の時、小林至さんが出てきた。小林さんは、東大の野球部からドラフト外でカネやんのロッテに入った異色の左腕。(小林さん曰く、「神宮で野球をするために東大に入った」「なぜなら東大以外の大学でレギュラーに成るより、東大に入る方が遥かにバーは低いから」だとか。)プロ選手引退後、アメリカに渡りMBA取得。一時プロゴルファーを目指していたが断念し、ケーブルTVでアメリカのPGAのゴルフ実況をしていたが、帰国して参院選に出て落選。その後、江戸川大学に入って「スポーツビジネス」を教えていた。大リーグの経営に明るく、「たかが、されどプロ野球」という本を上梓する直前での出演だった。番組では、「大リーグと日本のプロ野球の経営」の比較をして論じ、日本のプロ野球に必要な「経営の改善点」を指摘した。この放送を観た宋正義氏に呼ばれ自説を開陳。それが縁で、後にソフトバンク・ホークスの球団経営に携わっている。

 その小林さんから「江戸川大学でスポーツビジネスを教えて頂けませんか?」と声がかかった。正直なところ、研究者という柄でもないことを始めたが、性分に合わないと感じて、次の展開を考えていたので求めに応じた。これが大学で本格的に教鞭をとるスタートとなった。初めてすぐに、教えることは天職かな?と思い始めた。現在もまだ、その思いはある。

 

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日時: 2013.08.24|