連載「僕の知事選、奮闘記」 〜敗軍の将、兵を語る〜

連載No32 公共事業と民間事業の違い 2013/0824

 「広瀬さん、メタンハイドレードが事業化するのに何年かかると思いますか?」「おおよそ10年くらいと考えるのが常識的でしょうね。」「民間企業は10年も待てないんですよ。目の前の経済が良くなるかどうか、が重要なんです。余りメタンハイドレードの開発などと声高に言うと、その業界の人達から分かっていないなあ、と思われますよ。」これは、前回に触れた某経済人からの貴重なアドバイスである。その顔には経済人としての自負と自信が溢れ、「シロートは黙っておれ」的な表情だった。なるほど、現職の知事にこうやって教えを垂れているんだろう。その自信も宜なるかな、なんだがねえ。う〜ん、困ったね。

 「分かっていないのはそっちでしょ」というコトバをその場では飲み込んだ。新エネルギーの開発は国家的なプロジェクトで、しかも、内外の情勢を鑑みれば対応は急務だ。この開発が民間だけでできるものではないコトくらい、政府も分かっている。その証拠に、アベノミクスの成長戦略に「メタンハイドレード」という単語が出ているではないか。(ちなみに応援に駆けつけてくれた高市早苗政調会長から、「広瀬さん、よくメタンハイドレード開発を政策に挙げましたね。私たち自民党の政調会が、先日やっとまとめた政策の中に入っていますが、その前に政策として既に掲げていたのを知ってビックリしましたよ。」とお褒めのコトバを頂いた。)

 従って、公共投資の対象となる。民間で事業化が可能になるまでの10年間は、政府が民間に替わって投資の中心を担うのだ。恐らく最終的には兆円単位の投資が必要になるだろう。私が知事候補として政策に掲げたというのは、言い方を帰れば、その「公共投資を静岡に誘導する」という意味だ。(経済人ですら理解できていなかったので、ましてや一般の有権者には分かりにくかっただろう、と反省している。)

 知事は民間企業の社長とは違う。経済政策が民間企業の経営と最も違うのは、「社会的にはやるべきだが、利潤確保の観点から民間では負いきれない投資」を政策として推進する、という点だ。それが公共投資に他ならない。代表的なモノに道路などの交通インフラ整備がある。「メタンハイドレードの事業開発」も、交通インフラ同様に公共投資なのだ。

 有り体に言えば、静岡に政府の投資を誘導すれば、その資金は民間に流れる。つまり「民間事業として成立するまで10年かかる」というのは、「静岡のエネルギー業界は公共投資で10年間潤う」ことになるのだ。新たな雇用もそこから生まれる。更にその結果、「10年後には、静岡が世界の新エネルギー産業の中心になる」のだ。だから、これが私の政策の目玉だったのだ。内容の具体的な説明は後述するが、経済政策と民間事業の差も分からない人が静岡の経済を牛耳っている、と考えると悲しくなるではないか。(と思って、実は、その場で知事選への闘志が更に湧いてきた。)

 

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日時: 2013.08.24|