連載「僕の知事選、奮闘記」 〜敗軍の将、兵を語る〜

連載No36 成長戦略とマーケティング 2013/0829

 マーケティングの原理が分かると、「メード・イン・静岡」の売り上げを増やすために必要なのは、マーケティングに結びつく「情報戦略」であることが明確になるはずだ。マーケティングでは、消費者の行動は、次のようにフロー(流れ)で理解される。

   「認知」 → 「理解」 → 「好意」 → 「行動」

 スタートは、第一の「認知」を得るための情報戦略。まずは、情報を整理するコトから着手すべきだ。整理は戦略的に行われる必要がある。戦略である以上、第一に「成果の定義」が不可欠だ。具体的な例として「静岡のお茶」を取り上げてみる。

 静岡と言えば茶所だが、その地位に胡座をかいてきた、という側面は確かにある。「良いモノであれば売れる」という時代は去った。「良いモノ」を情報として発信する必要がある。しかしながら、闇雲に発信するのは戦略的ではない。

 マーケティングの定義は、

「適切な顧客に対して」「適切な商品を」「最も効率的な方法で」「引き合わせる(=Match)」方法だ。(出典:スポーツ・イングランドの定義「Matching the Best Customer and Best Product in the Best Possible Way」の訳 )ここから、「適切な顧客」を探すことが重要であることが分かる。そのためには、仮説を立ててから市場調査を行うことが一般的だ。

 私はアジアにおける日本茶の販売に大きな可能性を感じていた。お茶に限らず、今後のアジアの購買力が世界的な注目を浴びているコトは広く知られている。世帯平均年収が5千ドルを越えると、その国は経済的には中流社会になり、一挙に消費社会に突入する。社会全体が「物欲に取り憑かれ」、猛烈な消費意欲がわき起こる。

 昭和30年代末の日本がそうだった。昭和39年の東京オリンピックは実に絶妙なタイミングで開催された。昭和40年代に日本は一挙に消費社会に突入し、一般国民の消費エネルギーは凄まじい勢いで一般化した。日本人は「より良い生活」が「物質的な豊かさ」であると信じて疑わなかった。若者はファッション雑誌を読み漁り、生活レベルに合わせて、家とクルマのレベルをあげることが常識になった。「クーラー」「カラーテレビ」「自家用車(カー)」の3Cが、「新3種の神器」と呼ばれた時代だった。

 中国の世帯平均年収が5千ドルを越えたのは2012年だと言われている。日本の10倍の数の消費に熱心な中産階級が彼の国に生まれつつある。インドでも自家用車の所有が庶民の間で一般的になり、タタ自動車などが売り上げを急激に伸ばしている。(これらのプラスの傾向の裏に、環境汚染は進行していることも、昭和40年代の我が国と同様である。従って、先行した日本の「環境問題」への対応力、特に「新エネルギー」産業の確立が、アジア全体にとっても早急に求められる。この点は後述する。)

 

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日時: 2013.08.29|