連載「僕の知事選、奮闘記」 〜敗軍の将、兵を語る〜

連載No39   メタンハイドレードと「新エネルギー産業」2013/0901

 21世紀の新しい成長産業として最も有望なのは、「新エネルギー産業」だ。20世紀は「石油の世紀」だった。(19世紀は「石炭の世紀」だった。)「石油」は地球上で偏った地域に「偏在」している。従って、常に地域紛争の原因になってきた。東西冷戦構造が無くなって、世界に残った国際紛争の種の最大のものが「イスラム・アラブ」問題になっているが、アラブ地域に石油が埋蔵されていなければ、これほどの紛争は起きていなかったはずだ。例えば、第二次世界大戦中、ヒトラーが(西側の英仏との)「両面作戦の愚」を承知していながら、あえて独ソ戦を開始したのは、コーカサスの石油が欲しかったからに他ならない。あるいは、日本が太平洋戦争を開始した直接の原因となった「ABCD包囲網」は、インドシナにおける石油の利権を日本が確保したことに対するものだった。「石油」は単なるエネルギー問題ではなく、安全保障問題に大きく関与する。

 21世紀が「脱石油」を掲げざるを得ないもう一つの理由は、「燃焼によって生じる二酸化炭素の放出」が「地球温暖化」という環境問題を発生させたことにある。二酸化炭素の濃度が濃くなると、太陽熱が放出されずに大気圏内に留まってしまう。そのために「地球は温暖化される」。既に、世界各地で起きている異常気象の背景に、この問題が存在すると考えられている。従って、なるべく二酸化炭素を出さないようにしなければならないのだが、GDPの伸びと二酸化炭素の排出量は、ほぼ比例する。特に、国民の平均所得が5千ドルを越え、中流社会化する段階、消費意欲が急激に伸び、同時に二酸化炭素の排出量も急激に伸びることが、20世紀の歴史の示すところだ。

 対する国際的な取り組みとして「京都議定書」などが有名だが、必ずしも十分な実をあげていない。何しろこれから「中流社会化」される国は、中国を筆頭にBRICEや、インド、あるいは東南アジア諸国、と次々と控えている。彼らに「二酸化炭素の排出量抑制」を呼びかけても、「アンタ達は、既に中流化が済んでいるでしょ。今更何を」と言うことになる。

「市場の論理」で解決を図ろうと、「二酸化炭素の排出権」の市場取引などという若干イカガワしい仕組みも考案されている。この問題に対する考え方は、以前からはっきりしていた。第一に「偏在(かたより)」ではなく、「遍在(どこにでもある)」ものをエネルギー源にする。第二に、そのエネルギー消費が環境を汚染しないこと。(「地球温暖化」も環境汚染の一種である。)

 こういった視点から、地球上に遍在する「水素」が有望なエネルギー源として浮上した。ただし、純粋な「水素」は爆発しやすく、備蓄と流通が困難だ。そこで、何か別の形で備蓄・流通させる必要がある。天然ガスが一つの選択肢だが、天然ガスも石油同様、存在する場所が偏っている。そこで、天然ガスだけではなく、水素を含んだいろいろな形態が選択肢として検討されている。

 メタンは一つの有力な選択肢だ。幸い、静岡県の浜名湖沖から九州沖にかけて日本の領海内に「メタンハイドレード」というメタンガスを含んだ地層が発見されている。(それにしても、静岡県は何と恵まれているのだろう。「温暖」「風光明媚」「肥沃な大地からとれる農産物」「豊富な海産物」などに加えで、新しいエネルギー資源まで有しているのだ!)ここに含まれているメタンをエネルギー量で換算すると、現在の日本で消費されている電気量の100年分にあたると10年くらい前に推測されている。ここが開発されると、今世紀中、日本は一滴の石油も輸入せずに、電力を時前で賄える。原発も不要になるのだ!(実はこのメタン・ハイドレードの層は、尖閣諸島の近くまで続いている事が判明した。すると、突然中国が領有権を主張し始めた。やはりエネルギーは21世紀になっても国際紛争の種なのか。)

 

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日時: 2013.09.01|