連載「僕の知事選、奮闘記」 〜敗軍の将、兵を語る〜

連載No40 水素エネルギーと燃料電池 2013/0902

 2013年の3月に経済産業省が愛知県で行った実証実験では、メタンハイドレードからメタンを取り出すコストが激減することが明らかになった。これまではメタンハイドレードを海底から取り出し、地上でメタンを抽出していたのだが、海底においてメタンを抽出し、それを地上に送るコトに成功したのだ。

 ではメタンをどのように使うのか?一つの選択肢は、火力発電の原料にすること。これだと既存施設に若干の改良を施すだけでそのまま使えるというメリットがある。しかし、燃やす以上、どうしても二酸化炭素が生ずる。そこで、ここで生ずる二酸化炭素を「植物の生成」に使うという試みが行われている。植物の「光合成」には、葉緑素と二酸化炭素鵜が必要なので、ここに供給しようというわけだ。これによって、実験段階の数値では、植物の育成を3割くらい早めることが明らかになった。これを浜松の「温室内の花栽培」に活かすことは大いに可能性あり、と見ている。これまでは、電気を取り出す際に生ずる熱をさらにエネルギーとして利用する「コジェネ」という取り組みが有名だった。今度の取り組みは、更に二酸化炭素まで利用できるので「トリジェネ」と呼ばれている。いずれにせよ、エネルギー効率は格段に向上し、コストは反対に下がることになる。

 取り出した「水素」の利用方法として、私が電通勤務時代から最も注目しているのが「燃料電池」だ。中学校の理科の実験で「水の電気分解」があった。これを思い出して欲しい。「水に電気を通して、水素と酸素に分解する」という例のアレだ。「燃料電池」の発電原理は、この逆を行う。つまり、「水素と酸素を合体させて水を生成すると電気が生じる」のだ。この時に、生成されるのは、電気と水と「熱」の3つだ。

 この技術自体が開発されたのは、米ソの「宇宙開発戦争」時代のことだから、かなり昔のことになる。アメリカは、宇宙に飛ばした衛星内の機器に電気を供給するために様々な技術を開発した。そのうちの一つが「燃料電池」だった。「ジェミニ6号」に搭載されていた。(と記憶している。)地球に戻ってきたジェミニを調べたら「燃料電池」による電気供給だけが活きていたそうだ。ところが、その後「燃料電池」は実用技術としては見放される。触媒となる白金に汚れがつきやすく、家電レベルで採用されたら1年と持たないことが判明し、結局この問題が解決しなかったからだ。ところが、この触媒問題に諦めずに取り組んだ企業がカナダにあった。バラード社というこの会社は「多孔質ポリマー」という一種のプラスティック膜のようなものを開発し、よごれを通さないで純粋な水素を取り出すことに成功したのだ。忘れられたと思われていた技術が、10数年ぶりに脚光を浴びることになったのだ。

 「多孔質」、つまり「小さな穴が一杯ある」物質と言えば、セラミックスが思い浮かぶ。日本の出番到来だ。京セラが燃料電池用のセラミックスの開発に成功した。世界的にはドイツのベンツ社が「燃料電池車」の開発で先行していたが、トヨタやホンダが巻き返した。

 

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日時: 2013.09.02|