連載「僕の知事選、奮闘記」 〜敗軍の将、兵を語る〜

連載No43 アメリカ国立燃料電池研究所の誘致 2013/0905

 ついでながら、アメリカの国立「燃料電池研究所」のことを紹介しておこう。これはカリフォルニア州立大学のアーバイン(Urbine)校に作られた。(息子)ブッシュ政権の時に、燃料電池の開発予算が突然増額された。ブッシュの背景には石油資本がついているのは有名だ。そのブッシュ政権が「脱石油」を見据えた政策を推進するということは、石油資本が石油の次(ポスト石油)のエネルギー産業でも利権を確保しようと舵を切ったということだ。その前までは、石油資本は、当然ながら「脱石油」には非協力的だった。

 燃料電池のような基礎技術を日本が独占しようとすると必ずつぶされる。(そういう例は多い。例えば「ハイビジョン」の規格は、当時最も進んでいた日本のNHK方式が採用されなかったのは、基本技術をNHK が独占していたからだ。)そこで「アメリカの国立燃料電池研究所のアジア・オセアニア地区の出先機関」を静岡の西部地区に招致することを提案した。そして「アメリカと提携して技術開発する姿勢」を明確にしておくべきだ。(これは産業上の技術開発における「危機管理」の常識だ。)

 20世紀末の産業をリードしたITが、なぜシリコンバレーで生まれたのか。一つの理由としてスタンフォード大学の存在がある。この大学は、国の産業振興と技術開発に関わることを大学の戦略とした。そして大学の周りに産業集積を計って、ベンチャーが育ちやすい環境を作ったこと。これが大きく寄与している。20世紀後半にはヒューレットとパッカードという学生が起業したことが伝説となり、21世紀にはGoogle が新しい伝説を作った。Googleの創業者はスタンフォードの数学科の大学院生であり、データ検索の研究のために大型のコンピュータを自由に使わせてくれたことに対して、スタンフォード大学に同社の株を寄付した。上場した際にスタンフォード大学が株を売却して得た金額はおよそ400億円!だった。かように、新しい産業の開発と、研究機関の存在は切り離せない。世界の優秀な人材を静岡に呼び寄せるためには何が必要か。これを県が考え、国と協力して条件を整えることが、国家戦略としても重要な意味を持つと考える。

 

 

この記事へのコメント

Leave a Reply

日時: 2013.09.05|