■スポーツ産業が持つリスク (勝敗を事業性とリンクさせない)
言うまでもなくリーグ産業は「興行」だ。従って、ハイリスク-ハイリターン型でリスクが高く、安定した収入を上げることは大変困難だ。特に、「商品の質」を「競技力」だと勘違いすると、経営は安定しない。
スポーツ産業のマネジメントとして最も重要なのは、「勝敗」あるいは「チーム力」という不確実な要素に頼らずに、「いかに安定的な収益をあげるか」ということである。
無論選手たちは勝つことを目的にプレーしていし、ファンの人たちも勝つことを望み、勝てば楽しいと感じる。このことは大前提だが、競技場まで足を運んだファンにとって、「負ければ何も残らない」ということになってしまえば、それは(エンタテイメント)産業としては「商品力に問題あり」ということになり、まことに脆弱なビジネスになってしまう。また、それを許すのであれば、そもそもマネジメントは不要で、競技力の向上のみを心がけていればいい、ということになろう。
「負けても(それなりに)楽しい」と感じてもらうためには、何が必用なのか?
言い換えれば、観客の「満足感」はどのように安定して確実にもたらすことができるのか?観客はスタジアムで数時間過ごすことに対価を払うのであり、「勝利を味わうため」にチケットを買うのではない。(「負けたら払い戻す」のか?)
対価に見合う役務(サービス)を提供しなければならないのは、商売の常識だ。
繰り返すが、それは「勝敗に関わらず享受できるもの」でなければならない。その上でチームが勝利すれば、なお一層の喜びが得られる…そういったサイクルを作る必要がある。つまり、チームにとっては勝利が第一の目的でありながら、「勝利」を価値の中心におかないサービスの構築と提供が求められるのである。そしてそれは可能なのだ。
いい例がJリーグの新潟だ。代表選手など一人もいない。チームだって優勝争いに加わるほど強くはない。それなのに2004年はJ-1の平均入場者数以上を「前売りのシーズンチケット」で売っている。
勝敗に関係のないサービスとは、選手レベルでいえばひたむきなプレーかもしれない。、気軽にサインをするなどといったファンサービスかもしれない。より楽しめるスタジアムづくりというホスピタリティも欠かせない。「そこに行けばおいしいものがあって、皆と一緒にビールを飲みながら応援するのは最高!」と思っているファンは、少なくないはずだ。
勝利できなくても大きな収入減にならない仕組みを作ることが、マネジメントの重要な役割なのです。そして「勝敗を動員にリンクさせない」ためのキーが「地域密着」により「ローカルブランド」を確立することと「CS(顧客満足)」なのだ。
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