TSS「スポーツ総合研究所」

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True Story ?

栃木の高野連の研修会にて講演。
場所は鬼怒川温泉。
往復4時間で読む本として、
Pオースターの「トゥルー・ストーリーズ」を選ぶ。

オースターの半自伝である。
「小説より奇なる事実」。
本当にドラマチックな経験をしている。
小説のネタには困らないはずだ。
何しろ生前のジョン・レノンの訪問を受けたりしている。

オースターの一連の小説は常にパラドクスだ。
「ありえない情況設定」だが、常にメッセージはリアル。
「鍵の無い部屋、偶然の音楽、ムーンパレス、孤独の発明・・・
ほとんどが異常で狂気の設定だ。
が、読了前のかなる早い段階から物語は「リアル」なのだ。
汗をかきながら、心臓の鼓動を感じながら読む。
そのリアリティーは彼の人生から来ていることが分かった。
「本当かよ!?」の連続なのだ。
で、「トゥルー・ストーリーズ」なのだ。

詩人として物書きのスタートを切った。
が、早くから物書きになった理由を
「物書きを選択したのではない。
他の何者にも向いていないという事実を受け入れたのだ」、と。

タンカーの船員をしていた時に、
至るところで重油まみれで死んだ膨大な量の魚を目撃する。
「醜さはいたるところに偏在していた。
金を稼ぐという営みに、金を稼ぐ人間に対して金が与える権力に、
醜さは深く結びついていた。
風景を傷つけることすら、自然界を丸ごとひっくり返してしまうことすら、
金を稼ぐものには許される」
ここからの続きがオースターたる所以。
「しぶしぶながらも、私はそのことに対して一種の敬意を抱くようになった。」
のだ。・・・・真実のパラドクスである。

列車に揺られて読む本として「人生」ほどピタリくるものは無かろう。
ピタリ来すぎて、しばしばページを捲る手が止まる。
「移動」は「人生」を象徴する。
さっきと今とは違う場所に居ることは明快な事実なのだ。

50歳を過ぎると「人生」なんてものを考え始めてしまう。
人生50年下天のうちを・・・なのか。
昔のガールフレンド(彼女ではない)の1人がパレスホテルの横で急逝した。
それがきっかけで、昔のGFたちと再会。
年に一度、彼女の冥福を祈る意味で同窓会のようなことが始まった。
皆、50歳以上なのに、まだ華やかさが残る。
「結構若い子にナンパされんのよ。」・・・かい!
昔の50歳は立派な婆さんだったぜ。

毎年、彼女達と会う時が最も人生を感じ、思う。
これはパラドクスではないな。

日時: 2008年02月02日 21:46 |

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