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キングの死

ジョン・ハートのデビュー作「キングの死」読了。

この週末は静岡に帰る可能性が高いと思って、空けておいた。
どうもそういう状況ではなくなったようで、
2日間の時間が浮いた。

「川の流れのように」を読んでから、この『作者の他の作品を読みたいと思っていたので、
この機会にチャレンジ。
なるほど、デビュー作がこれなら話題になるだろう。
スコット・トゥローの後継者、という賛辞はちょっと違うかな。
トゥローひょり、文学的で、文章は読ませる。
出だしの2~3ページは、むしろパーカーを思わせる。
状況描写をこれだけ修飾的にして
なおかつ、過剰さを感じさせないのは文学的にはご立派。

最後のドンデンガエシは、「うまい」。
読者のミス・リードのさせ方は直接的で多少強引だが、
ちょっと「やられた」感がある。
読者の「やられた」感を抱かせられないのであれば、
作者の負け、というのがミステリーのお決まりだから、これは及第点。

もう一つのテーマである、主人公の「追いつめ方」もうまい。
読み進むうちに、不快感を共有させるやり口も、常道だがうまい。
この追いつめ方は、日本人には難しい。
どこかで程度を考え、抑えてしまう。
が、欧米の作家はこの点で容赦が無い。
徹底的に悲惨で、徹底的に情けない。
でないと、「救い」のカタルシスが小さくなるから。
キリスト教徒は「受難」の物語が好きなんだろうね。

次はゴダードの未読もの。
「日本が舞台」というウリで傑作はないから、「まあまあ」であれば許す。

日時: 2009年07月05日 11:29 |

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