フットボールの犬
宇都宮徹チャンの新作「フットボールの犬」を読んだ。
この10年間に「サッカー批評」その他で連載されえていたコラムのアンソロジーである。
犬の目線で辺境の地のフットボールをルポしたもの。
面白い!
相変わらずのいい味である。
「フットボール的なもの」とは、かつて今福龍太氏が使ったフレーズだが、
将にフットボール的なものとしか言いようのないものが満載である。
頭から尻尾まで、アンコがたっぷりあんおである。
(実は、アンコが嫌いでたい焼きを食したことがないのだが。)
例えば、徹チャンはフェロー諸島に行く。
何と、欧州選手権お予選を戦うために
ドイツ代表がフェロー諸島に来る。
人口5万人に満たない、対馬より小さな島に、だ。
スタジアムは2つにかなく、
最大のナショナルスタジアムは収容が1万人に満たない。
その試合は、何と評したらいいのだろうか。
町田ゼルビアとドイツ代表が戦う
なんてことを想像しただけで痛快。
おもしろくない訳がない。
いや、フットボールとしては、おもしろいはずがない。
だが、フットボール的にはおもしろいではないか!
バラックはどんな気持ちで空港に降り立ったのだろか?
普段は教師をしている、アマチュアのフェロー諸島代表のサイドバックは
どんな気持ちで前夜、床についたのだろうか?
フェロー諸島のホームのサポと
ドイツからやってきたサポの数はどちらが多いのか?
どちらが大きな顔をしているのだろうか?
ホームのサポは、ちゃんとドイツのサポに肩身の狭い思いをさせてあげたのだろうか?
う~ん、興味は尽きない。
また、トルコのイスタンブールのダービーは、
一都市のダービーなのに、片や欧州側で。片やアジア側なのである。
これはテンションがあがるだろう。
一つ一つをゆっくりと、噛み締めて、
文中に記述されていないことにも思いを馳せながら読むべき本だろう。
それを忘れて一気に読んでしまった。
ああ、勿体ない。
反省!

