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アヤックスの戦争

サイモン・クーパーの「アヤックスの戦争」を読んでいる。
アヤックスがどこと戦争をしたか?
と気軽に読み始めたら、大間違いで、第2次世界大戦中、「
「オランダ・サッカー階は、ナチのユダヤ人迫害問題にどのように対処したのか」
という、かなりシリアスな内容だ。

「サッカーの敵」の著者として有名なサイモン・クーパーは、本書で自分の出自を「アフリカ生まれのオランダ育ちのユダヤ系」と明らかにしている。
「アヤックスの戦争」は、第2次世界大戦中のオランダ、特にサッカー界がナチにどのように対処したのか(精確に言えば「どのように対処しなかったのか」であろうが)を記述した本だ。
テーマは当然、かなり重い。これを読んでアヤックス・ファンを続けるのかどうか…。

スポーツマンであるかどうか、最終的には敗者となったときの立ち振る舞いでその覚悟が分かってしまう。
同様に、「知的である」ことは、極言状況で判明する。
デンマークは、実に知的に振る舞った。知的とはかくあるべし。
ノルウェーのサッカー界はスポーツマンらしく対処した。
この辺りの記述は実に感動的だ。
が、それだけに、同じような西欧の小国オランダの振る舞いが、対照的に現れざるを得ない。
サイモン・クーパーは手厳しい。
が、彼の出自は「手厳しさ」を咎める声をあげさせまい。

さて、そこで終わるなら、さして重くはない。
問題は、ここから我々の問題になる。
戦中も、そして最悪なのはさらに戦後も、まるで何も無かったように振る舞っているオランダに我が国がダブってくる。
「他山の石」などではなく、紛うことのない「自分の山の石」だとしか見えない。
知的なデンマークと、そうでなかったオランダは、奇しくも南アで日本と同じグループである。オランダとは同病対決、ということか。重いなあ、サイモン・クーパー。

日時: 2010年02月04日 06:39 |

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