メディアのアカウンタビリティー(総括)
以前書いたように、
6月12日(土)に広瀬は「新・週刊フジテレビ批評」に出演。
「Wカップのテレビ報道」に関して語った。
その中で「14日の初戦、対カメルーン戦に勝ったら、
恐らく、岡田ジャパンに対するメディアの評価は激変するだろう」
とコメント。その後、メディアの“手のひら返し”は現実になった。
そこで、
フジテレビから7月10日の同番組でこの状況について語るよう依頼があり、
「メディアのアカウンタビリティー(説明責任)と私たちのメディアリテラシー」
というテーマで語った。
多摩大学の広瀬ゼミでは、メディアの論調の推移を数値化し、グラフ化。
(スポーツ総研のHPにアップしてある。)
2010年になってから対パラグアイ戦まで、
練習試合のジンバブエ戦を除いて12回の国際ゲーをした。
その翌日の新聞の論調を、
「激賞=2、評価=1、可不可なし=0、辛口=-1、酷評=-2」
の5段階で、8つのメディアにについて8名が主観的に分析し、数値化。
13回の論評をグラフ上にプロットし、線でつなげたのがこのグラフである。
「赤はスポーツ紙の平均、青が一般紙、黒は雑誌(翌週)」。
できあがったグラフを番組内で表示した。
(番組ではトレンドを明らかにするため、雑誌は削除。)
結果として
1)「カメルーン戦の勝利」を境に、論調が激変。(つまり“手のひら返し”)
2)メディア間に差がなかった。(大衆迎合的だとも考えられる。)
今や岡田ジャパンはヒーローであり、メディア各社は競って
「岡ちゃんゴメンネ」コール。
しかしながら、メディアは謝罪の必要があるのだろうか?
事前に低い評価を得たチーム戦術およびメンバーは、最終的に変わっている以上、
メディアの評価は正しかったと言えなくもない。
(指摘内容に誤りは多かったし、
批判の仕方にリスペクトを欠いて、
単に扇情的に書いていたメディアが無かったとは言えないが、
それはこの際触れない。なぜなら、触れても治らないから。
ま、不治の病だな。)
問題は、事前の酷評も、事後の絶賛・激賞も、
情緒的な判断に流れていなかったか、という点である。
プロであるなら「専門性」と「客観性」が求められるはずである。
そして、事後に「何が間違っていたのか」「それは何が原因か」
という点について検証すべきであろう。
それなしで、「旗色が悪いから誤っちゃえ」的な対応は不毛であり、
4年後に同じことが繰り返されると想像される。
蛇足であるが、
以上について、最も正確に理解しているのは、一方の当事者の岡田氏であろう。
何しろ、97年末の「ジョホールバルの歓喜」で一夜にして英雄となったが、
その直前は各紙が「岡田では本大会に行けない」のであったからだ。
となると、今回の騒動も、
岡田氏にとっては単なるデ・ジャ・ブでしかなかったのかもしれない。

